一曲入魂 7 「Life」 SIAM SHADE

マニアックな私的名曲をご紹介する一曲入魂コーナー。

今回は、SIAM SHADEの「Life」をピックアップ。バンド活動の終盤、2001年に出されたシングル盤です。翌年に彼らは解散しています。

今は死語となりつつある?インディーズから、世間一般に認知される程のメジャーなバンドへと登り詰めます。彼らの名を有名にした代表曲は、アニメるろうに剣心のエンディングテーマ「1/3の純情な感情」。

ただ今回ご紹介するのは「Life」。今でも無性に聴きたくなることがある、お気に入りの楽曲です。

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♪「Life」

12cmCDシングル。収録曲数は一応4曲。

  1. Life
  2. Blue Fung
  3. 時代だとか流行りだとか解んねぇけど要はカッコ良けりゃそれでいいんじゃねぇの
  4. Jumping Junkie

となっております。3曲目タイトル長っ!となると思いますが、8秒しかありません(笑)。ただ、このタイトルに彼らの音楽に対する当時の「想い」が現れているような気がします。

そしてその後に続く「Jumping Junkie」こそ、彼らの真骨頂。

彼らの音

バンドの音は時と共に成長し、確実に変化していくものですが、SIAM SHADEの場合、望んだ方向へ進むことが出来たのかどうかは正直疑問です。

インディーズ時代に出したアルバムは、非常に攻撃的なハードロックサウンド。間違いなく彼らの根本にあったのはこの音だったと思います。粗削りではありますが、カッコイイです。

メジャーデビュー後は、正直一般受けしそうな方向へシフト、というか見えない何者かの圧力を感じてしまいます。音はハードでも、流行りだったヴィジュアル系感がどことなく漂っています。

この曲について

バラード調でありながら、テンポが速く、見事なまでにロックサウンド。展開にも抑揚があり、ボーカルはパワーあるハイトーンで歌い上げています。

同じ歌詞を畳みかけることが非常に活きる、メロディラインも素晴らしい。

ただ一つ、苦言を呈すとすれば、最後のコーラスが残念な事。ツインボーカルはいいと思うんですが、パワー感あるハイトーンの上に被せるのに、このファルセットは違和感あります。

何にしても、非常に世界観のある良質な楽曲ですので、是非聴いてもらいたいです。

終わりに

今回はSIAM SHADE「Life」をご紹介しました。

彼らがデビューした時は、正直結構期待していました。ただ時代に逆行していたのもまた事実で、ハードサウンドで押し通すには様々な要因により、不可能だったとも思います。

人気があり、実力があり、認められ、そしてようやく真にやりたいことが出来るようになる、という遠回りを強いられてしまう時代が確かに存在していたと思います。

アーティストにとっては非常に狭き道。B’zが上手くいった例であるならば、Wandsはそれが出来なかった。与えられたレールをしばらくは黙って進むしかないんでしょうね。

現在はネットの普及もあり、状況は多少変化しているものとは思いたいですが。

SIAM SHADEも、時代が違えば、もっと本格的なハードロックを基調としたバンドになっていたかもしれません。多くのファンを魅了した、確かな実力を持っていましたから。