バンドマン時代に衝撃を受けた1枚

前回に引き続き、己の音楽人生を振り返るシリーズ。今回はプレイヤー視点から、自身の音楽性に多大なる影響を与えてくれた作品たちをご紹介すると共にさりげなくお勧め(笑)。

ギタリスト君に勧められるままバンドを組み、ボーカリストとして活動していたのも今は昔。10代から20代半ばにかけてがっつりバンドに時間を費やしました。私の世界を広げてくれたギタリスト君にはマジ感謝しています。彼との出会いが無ければ今の私の音楽観は絶対にない。

当初弾き語り志向が強かった私ですが、数々の素晴らしい作品との出会いで徐々にバンドサウンドに傾倒。私の血となり肉となった衝撃作を、今振り返る!

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魂に刻まれた作品

遠き日の事ですので(笑)記憶が曖昧なところがあり、多少前後してしまっているかもしれませんが出会った順にご紹介させて頂きます。

Vow Wow

V

1987年発表。私のボーカリストとしての原点がコレ。ギタリスト君の腕前が飛躍的にUPし、彼が突然「コレ演るから」と持ってきた1枚。それまでのゆる~いバンド活動が急転。

ボーカルは怪物人見元基。一般的な歌唱法では上手く表現する事が困難で、本当に四苦八苦しましたよ。ただし今振り返るととんでもない財産になった事は間違いありません。

コピーしたのはSomewhere In The NightThe Girl In RedDon’t Leave Me Nowの3曲。でもキーボードが居なかったのでライヴではほぼ演りませんでした。

後にMountain Topからも5曲コピー。VOW WOW、そして人見元基を教えてくれた友人に心から感謝。今でもガンガン聴きまくりです!

Loudness

Soldier Of Fortune

1989年発売。マイク・ヴェセーラをボーカリストに迎えた新生ラウドネスの傑作。例によってギタリスト君のコピー指令によって知る事が出来たという(笑)。

コピーしたのはもちろんSoldier Of Fortune。私の海外ボーカリスト初コピーがマイクでした(笑)。ハイトーンの出し方は彼から学んだようなもんです。ど頭から地声では無理でしたから自分なりに工夫して歌ってました。ただ当時はその歌唱法が正しいのかどうかというくだらない葛藤を抱えていて、どこか腑に落ちない所が常にありましたね~。

ラウドネスは他にもCrazy DoctorDream FantasyGotta FightIn The MirrorS.D.I等々かなりの曲数をコピーしました。演れるものは手当たり次第挑戦していた時期です。

このアルバムは事あるごとに紹介しているのですが本当にオススメです。超カッコイイよ!

Earthshaker

Smash

1988年発売。偶発的に出会えた運命のアルバム。次にコピーする楽曲を探していた中、レンタルビデオ屋(笑)でジャケ借りしたのがコレでした。

所謂代表曲というものが少なくマイナーな作品かも知れませんが、PierrotOut Of Breathの世界観にハマってしまい、シェイカー好きのバイトの先輩により更なる深みへと誘われました。

半音下げ、マーシーのコーラスハーモニーが独特の雰囲気を生み出しているアースシェイカー。非常に聴きやすく歌いやすく、日本語ロックのカッコ良さを教えてくれたバンドでかなりの影響を受けました。

ただツーバスなのでコピー自体はあまり出来ず(笑)。ドラマーに無理言ってMoreLabyrinthだけ何とかしてもらいプレイさせて頂きました。

Mr.Big

Lean Into It

1991年発売。当時のコピーバンドのバイブル的作品。Daddy,Brother…は様々なライブハウスでホントよく耳にしました。対バンと被るかもな曲ナンバーワンでした(笑)。

我がバンドでは練習用にスタジオにてMr.Bigをプレイ。シャッフル曲Road To Ruinの方が面白く、そっちばっかプレイしていた記憶があります。歌いまわしが難しく学ぶことが多い楽曲です。

ブルージーな要素を持つエリックのボーカルは新鮮で猛烈にハマりました。他のメンバーも実力があり人間的魅力にも溢れ、Mr.Bigは今なお大好きなバンドの一つです。

日本版CDに付いているライナーノーツを読み込むほど惚れさせてくれた彼らのおかげで、我が心の師匠に辿り着くことが出来たのであります!

Free

The Free Story

1973年に発売されたFreeのベスト盤。Mr.Bigのルーツを辿り知ることが出来たバンド。まずはベスト盤から、という軽い気持ちで入手した本作がこれ程私の心を掴むとは。

古い音、粗いプレイ、愚直に繰り返されるフレーズ、客観的にはこう評す事も出来ます。ただテクニックうんぬんだとかそういった要素では無く、心に響くものを私は感じた訳です。

特にライヴ音源のMr Bigを初めて聴いた時の衝撃は忘れもしません。ドラム、ベース、ギター、ボーカルそれぞれが歌うかの様な抑揚あるプレイをしており、強弱表現だけで場を支配してしまっています。音楽、バンド演奏の本質を見せ付けられている気がして、言い知れぬ感動を覚えました。

ブルース色が強くループされるバックフレーズの中、自由に飛び回るロジャースのボーカルスタイルにはいまだに強烈な憧れがあり、私の永遠の道しるべでございます。

Aerosmith

Big Ones

1994年発売。エアロのベストアルバム。唯一無二と言っても過言では無いボーカルスタイルを有するスティーヴン・タイラー。自由奔放にメロディを操る彼からも多大な影響を受けました。

この作品は自分の声を作る際によく歌い込んでいました。タイラーの音域が私にとっては丁度いい負荷で、ハネたリズムと言葉数の多いメロディも様々良い効果をもたらしてくれます。そのおかげで歌詞カードがボロボロ(笑)。

バンドとしてコピーしたのはEat The Richだけでしたが、Cryin’Crazyと良曲目白押しなので、普通に聴く分にもオススメできる作品ですね。

Richie Kotzen

Mother Head’s Family Reunion

1994年作。テクニカルギタリストとしてデビューしたリッチー・コッツェン自らがボーカルも担当したアルバム。彼の持つソウルフルでファンキーな音楽性に魅了されたのはギタリスト君でした(笑)。

言うに及ばず私も感銘を受ける事になるのですが、太く粘りがありながら高音域のメロディラインを滑らかに歌い上げる彼の歌唱力には驚かされました。ボーカリストとしても1流。

コピーしたのはMother Heads’ Familiy ReunionWhere Did Our Love GoA Woman & A ManLivin’ Easy。後に私達自身もオリジナルを作るようになるのですが、楽曲制作の面ではリッチーの影響は大ですね。

かなり素晴らしい作品なのですが、当時はあまり注目されなかった様に思えます。

Something To Say

1997年発売。この作品も中々のもんですよ。Wave Of Emotionという前作よりもロック色が強く、歌い込まれたリッチーの声も一皮むけた感じがします。

RustReadyという2曲は、私にとっての神曲。大サビ、或いは終盤のアドリブライクなボーカルラインの作り方、コーラスなど、ボーカルアレンジ面における教科書的楽曲です。

以降もリッチーはコンスタントに作品をリリースしていき、数多くの良曲を生み出しています。彼については特集記事を絶対書きますのでお楽しみに!

B’z

The 7th Blues

1994年発売の2枚組スタジオアルバム。B’zはずっと好きなのでどの作品からも何らかの影響を受けたと言えます。ただこの頃のサウンドが最も好きという事でコレに。

Don’t Leave Meはソロ前のシャウトが好きだったのでスタジオにて沢山練習しました。同時期に発売されたMotelはギターソロを弾いてもらいたくてコピーをお願い(笑)。

B’zの楽曲も、FIREBALLlove me I love youReal Thing ShakesギリギリChopなど他にも数多くコピーし、非常に楽しくプレイした記憶があります。

個人的に稲葉先生から、言葉とメロディのマッチングについて大いに学ばせて頂きました!

Whitesnake

1978~1982 Box

1992年に発売された4枚組ベスト。稲葉浩志に影響を与えたボーカリストの一人、デイヴィッド・カヴァデール。彼が在籍しているホワイトスネイクの初期作品集です。

この頃の彼のボーカルは素晴らしいです。声質も太く魅力的でブルージィな歌いまわしも最高。それに加え超ハイトーンも操っており、ボーカリストとして無双状態です(笑)。

Walking In The Shadow Of The BluesReady An’ WillingCrying In The Rainがたまらなく好きで、家で歌いまくってました。音域が広く歌い甲斐があり、純粋に楽しいんですよ。

ギターがもう少し弾けるようになったら、歌と共にカヴァーしたいですね~。

終わりに

今回は「バンドマン時代」に衝撃を受けた作品紹介でしたが、当然ながらボーカル視点が強いです。原点は間違いなくハードロックにあり、そこから様々な音楽を聴きまくりました。

特に私にとっては、Freeとの出会いが大きな転換点になったと感じています。自分のボーカルスタイルの方向性というか、目指したいものがより明確化された気がしました。

振り返ると楽曲コピーも結構やってましたね~、我がことながらすっかり忘れておりました。バンド活動後半はオリジナル曲の創作が中心で、古い記憶はソチラに上書きされてしまってました。

たまにはこうやって立ち止まり、顧みることも大切かも知れませんね。また違った縛りにて作品紹介はしたいと思います。まだまだ世の中にはイイ音がありますから♪