今回のお話は、おうちプレイヤーで真空管アンプに手を出すか悩んでいる方向けの内容となっております。超絶ピンポイントですな(笑)。
住宅環境は人それぞれなので、“家”と一括りにして語るのは難しい部分がありますが、一般的に自宅でギターを楽しむには音量問題は避けては通れない所でしょう。
特に音がデカイとされる真空管アンプを自宅で鳴らすことなんて出来るのか、一度も触れた事が無い方には想像も出来ないのではないでしょうか。
私も何だかんだ真空管アンプを4台ほど所有してきた家プレイヤー。貧弱ながらおうちプレイヤーとして培ってきた知識を必要な方にお役立て頂ければ幸いですm(__)m
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おうちでチューブアンプ
まず結論!
Q : 真空管アンプは家で使えますか?
A : ハイ、使えます!
ただしモノによる。例えば、音量を上げる事で歪みを獲得するアンプの場合、音量的にクリーンでしか弾けないという制約が生まれてしまいます。
またゲインを上げると音量もモリモリ上がってしまうアンプもあります。その場合、歪ませたいならペダルを使えば良いのですが、求めるサウンドになるかは不明です。
そのアンプの持つポテンシャルをフルに発揮させる事はまず不可能ですが、自分なりの気持ち良いサウンドを生み出す事は十分可能だと思います!
音量とワット数
Q : 音はデカイの?
A : デカイよ(笑)。
でも真空管アンプだろうがソリッドステートアンプだろうが、問題は音の大きさではなく自宅にて許容できる音量で演奏できるか否か、ですね。
大事なのはアンプ側のボリュームやマスターの挙動。緩やかに音量アップしてくれるモノなら良いですが、最小設定でいきなり許容をすっ飛ばしてくるヤツもいます(-_-;)
ゲインやEQなんかも音量に作用する場合があるので、そういった部分にも注意が必要です。
Q : 何ワットがいいの?
A : 何ワットでも良い!
前述した通り、自宅許容音量でプレイ可能ならワット数はあまり関係なし。ですが、当然ワット数が低い方が音量調整はし易くなります。ボリュームの上げ幅が広がりますから。
ただ1Wでも半端ないですよ(笑)。私が所有しているBogner Atmaの1Wモードだと、ボリュームは8時が限界。Victory Sheriff22の0.3Wモードでも10時が限界ですね。
私の環境では20Wクラスのアンプが最適でいて限界だと感じますが、10~20Wクラスの小型アンプでもボリューム操作はミリ単位の微調整が必要になるのが現実。
音量と音質
真空管アンプは音量をグッと持ち上げる事によりその真価を発揮します。だからと言って小音量時のサウンドが酷いとは一概に言えません。この辺もアンプによります。
以前所有していたPeavey 6505 mhはかなり良かったです。20Wの小音量でもゴリゴリに歪んでくれましたし、クランチチャンネルも反応良く気持ちよいプレイが出来ました。
しかし基本的に小音量では音圧不足は否めず、音の“太さ”という面に於いてはある程度の妥協が必要です。EQでどうにか出来る部分ではないので、これはもうしょうがないです。
音量を下げる工夫
どうにかしてマスターを上げたい、もう少しボリューム調整幅を広げたい、といった場合、アイデア次第で解決できるかも知れません。別途追加投資が必要ですけどね。
今回は割と皆がやってるメジャーな手法を二つご紹介しておきます。
エフェクトループで音量減
エフェクトループを装備しているアンプであれば、そこにボリューム操作ができるモノをかませば音量を下げる事が出来ます。
例えばボリュームペダル。足で踏み踏みするアレですね。コンパクトエフェクターでも音量を下げる事が可能なモノならば代用可能です。音量増減できるEQペダルとか良さげですね。
ただし、間に余計なモノを挟む事になるので、音質変化は必ずおきます。こもってしまったり、逆にシャリシャリになったり。アンプに合うものを探し始めると沼化必須(笑)。
アッテネーターを使う
アッテネーターはアンプとスピーカーの間に接続して音量を減衰させる事を目的とした機材です。各社から様々な製品が出ていますが、結構高いのでコレにハマると大変です。
この方法も音質変化は確実に起きます。スピーカーの前に遮蔽物を置いたような、良い意味で凹凸ある真空管サウンドがヌメッとして平面的になる印象をいくつかの製品で受けました。
私は最終的にVinetoneさんのアッテネーターに辿り着き現在も愛用していますが、全てのアンプに対して良い結果をもたらすかどうかと問われれば“NO”と答えます。
Bogner Atmaでは気持ち良いサウンドになりますが、Sheriff22の場合かなりハイ落ちします。気になる製品は試奏した方が絶対良いですが、自分の機材環境と同じ条件で試せるかが問題ですね。
アンプに標準搭載されている出力切り替えも音質変化は起きますし、それだけで音量フルアップは絶対に不可能。残念ながらこの辺りは妥協するしか無いのが現状です。
まとめ
真空管アンプを家で使えるのかどうか。
今回の内容をまとめると、
- 自宅で弾ける音量が出せるなら使える
- 基本爆音
- 様々妥協は必要
- 気持ち良いサウンドは出せる
てな感じですかな。
おうちプレイには限界があります。無いものねだりをしても疲れるだけ。制限された環境で真空管アンプを使う事に意味を感じるかどうか、決めるのは自分です。
小音量だとなんか物足りない、と感じてしまう場合でも、相性の良いスピーカーやペダル選び、アッテネーター等を駆使したりすれば、より良くなる可能性は十分にあります。
おうちプレイの醍醐味は試行錯誤にあると思いますし、「限界を見極め最高を目指す」というドMな思考で是非とも楽しんで頂けたらなぁと思います。