技術の進歩は凄まじく、どの分野においても小型化が進んでいます。この傾向に対し、良い悪いはともかく、好き嫌いはあるかも知れません。こと楽器系の機材に関しては。
今回取り上げるのはアンプ。ヘッドタイプのもの。プロが使用するいわゆる「標準」とされるものは幅65~75cm程、重さも20kgなんてザラ。こんなの家に置けね~、鳴らせね~ってのが普通ですよね。
更に持ち運ぶとなると、まぁ腰が砕けるのではなかろうか(笑)。
ただ、エフェクターも素晴らしいものが増え、音を作り上げる選択肢が多くある時代なのは確か。環境によりベストな機材をチョイスできるのは、とても幸せなことだと思います。
今回はスタジオに、ライブに、楽々持ち運びできる幅30cm未満のアンプを集めてみました。
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Contents
厳選!超小型ヘッドアンプ
Quilter
101-Mini Head
- 出力 : 50W
- コントロール : Gain, Tri-Q, Voicing, Hi-Cut, Master
- 端子 : FX Loop, PHONES
- サイズ : 約21(W) × 8(H) × 14(D) cm
- 重量 : 約0.9kg
101シリーズと言われるアンプ。Quilterの中で最もコンパクトでシンプルなモデル。ソリッドステートアンプですが、50Wの出力を持ちこのサイズと価格。恐ろしや~。
VOICEで音色を5種類切り替えられるようで、音作りはTRI-QとHI-CUTで行えます。この辺の縮小版的な機能が何だかなぁ~、と感じる方もご安心を^^
次行ってみよ~ノ
101-REVERB
- 出力 : 50W
- コントロール : Gain, Limiter, Bass, Mid, Treble, Reverb, Master
- 端子 : FX Loop, PHONES
- サイズ : 約21(W) × 8(H) × 14(D) cm
- 重量 : 約0.9kg
101シリーズのもう一つ。サイズ、重さとも同じですが、コントロール部はコチラの方が慣れ親しんだもの。3バンドEQがあるのはやっぱ安心感が違います。名前の通りリバーブ搭載。
ちょいと練習したい時も、直挿しで即音出し出来ますね。上の画像では分かりにくいですが、MASTERを見ると、0~10Wの幅が広く取られているので(10Wが12時)、自宅でも使えそう。
こちらもソリッドステートアンプ。う~ん、気になる!
OverDrive 200
- 出力 : 200W
- チャンネル : 2ch
- コントロール : Drive CH(Gain, Output), Clean CH(Gain, Bass, Mid, Treble), Master
- 端子 : FX Loop, PHONES, FootSW
- サイズ : 約22(W) × 8(H) × 15(D) cm
- 重量 : 約1.8kg
ドライブとクリーンの2チャンネル仕様。そして出力は200Wを誇ります。ドライブチャンネルにはCRUNCH、LEADのスイッチがあり、歪みだけで数種類切り替えが可能です。
ただ操作性に少し癖があるようで、クランチ、クランチ+リード設定だと、EQが効かなくなる模様。リードとクリーンのみに作用する3バンドEQってことですね。
ただこのサイズで200W出力のヘッド。何だか疑ってしまう(笑)。もちろんこいつもソリッドステートです。
Block Series
Quilterのラインナップには、他にBlock Seriesがあります。
・Tone Block 201
・Pro Block 200
現在発表されているのはこの2機種。上のOverDrive 200と同じく200W出力。操作系統は101-Mini Headに近い感じ。今回は省略させて頂きますので、気になる方はチェックしてみて下さい。
ちなみにQuilterの国内代理店はサウンドハウスになります。
▼Quilter HP
⇒ http://www.quilterlabs.com
DV MARK
DV MICRO 50
- 出力 : 50W(8Ω) / 60W(4Ω)
- チャンネル : 2ch
- コントロール : Lead CH(Drive, Bass, High, Level), Clean CH(Level, Bass, Mid, High), Reverb
- 端子 : AUX, PHONES, FootSW, XLR Line Out
- サイズ : 200(W) × 64(H) × 221(D) mm
- 重量 : 1.9kg
DV MARKの超小型ヘッドアンプ。Quilterより奥行きはありますが、それでも小さい!
2チャンネルで50W出力。エフェクトループはなくリバーブは搭載。間違いなく対抗馬は先に挙げたQuilter製品でしょう。機能的にはかなり近いのですが、先発なので価格はコチラの方が安いです。
これもソリッドステートで、後は出音の好みに依るところでしょう。
MICRO 50シリーズは新製品が出ているようで、FX Loop付きの「DV MICRO 50 JAZZ」、ハイゲインモデルの「DV MICRO 50 M」、アーティストモデル「DV MICRO 50 CMT」等があります。
DV LITTLE 250 M
- 出力 : 150W(8Ω) / 250W(4Ω)
- チャンネル : 2ch
- コントロール : Lead / Clean(Gain, Bass, Mid, High, Level), Reverb
- 端子 : フットスイッチ, FX Loop, Pre Out
- サイズ : 225(W) × 80(H) × 250(D) mm
- 重量 : 2.6kg
外観からも想像できますが、メタル、ハードロック向けハイゲインモデルとのこと。
「メタラー御用達のピンポイントアンプ」という印象をまず持ちましたが、公式動画をチェックすると、以外や以外、幅広く音作りが出来そうです。
クリーンは非常にナチュラルで綺麗ですし、リードチャンネルの歪みも、腰の据わったカッコイイサウンドから、ドンシャリメタルサウンドまでをカバー。
リード、クリーン両チャンネルとも同一のEQコントロール部を備えているのもポイント高し。
ソリッドステートアンプですが、150W以上の出力を持つ、まさに小さな巨人!
DV LITTLE GH 250
DV MARK / DV LITTLE GH 250 – Greg Howe signature
- 出力 : 150W(8Ω) / 250W(4Ω)
- チャンネル : 2ch
- コントロール : Lead / Clean(Gain, Bass, Mid, High, Level), Reverb
- 端子 : FootSW, FX Loop, Pre Out
- サイズ : 225(W) × 80(H) × 250(D) mm
- 重量 : 2.6kg
コチラはグレッグ・ハウのシグネイチャーモデル。DV Little 250 Mと全く同じ外観、コントロール部を持ちます。違いはやはり中身のサウンド。
クリーンチャンネルもグレッグの好みにチューンナップされていると思われますが、リードチャンネルが大きく異なることが公式動画でもハッキリ確認できます。
歪みは”一般的な幅”といっては何ですが、ローゲイン、クランチサウンドもしっかり出せ、凄くいい音してます。DV Little 250 M程ではありませんが、かなり歪ませることも可能となっています。
▼DV MARK HP
⇒ http://www.dvmark.it/products/heads
VOX
MV50 Clean
- 出力 : 50W(4Ω) / 25W(8Ω) / 12.5W(16Ω)
- 真空管 : Nutube
- チャンネル : 1ch
- コントロール : TREBLE, BASS, VOLUME, ECO, EQ(FLAT-DEEP), ATTENUATOR(FULL-1/10-1/100)
- 端子 : LINE/PHONES, SPEAKER OUT
- サイズ : 135(W) x 75(D) x 100(H) mm
- 重量 : 540g
最近話題の超ミニヘッド、VOXのMV50シリーズ。次世代の真空管「Nutube」をプリアンプ部に搭載。MV50シリーズは何機種か出ておりますが、Cleanとはスペックが微妙に違いますのでご注意を。
■MV50シリーズ
・MV50 Clean
・MV50 Rock
・MV50 AC
・MV50 Boutique
・MV50 High Gain
Clean含め、全5機種が現在公式ラインナップ。
Clean以外はそれぞれ歪みに特徴があるモデル。コントロール部も「Gain, Tone, Volume」となり、背面のアッテネート切り替えもCleanのみに搭載されていて、他はインピーダンスの切り替えになります。
これだけ小分けにして出すのは何故か?を考えると、色々勘ぐってしまいます(-_-;)
個人的には、実験的な意味合いが強い印象がありますので、Nutube製品はしばらく様子見。買うならClean一択で、歪みはエフェクターで作るかな。
DV MARKのように、Clean/Leadの2チャンネル仕様の方がユーザビリティは高いと思いますし、それを為す技術は絶対持ってるハズですからね~。独特な外観に拘るのにも「?」です(辛口)
でも間違いなく、Nutubeは大きな可能性を秘めていると思います!
▼VOX HP
⇒ http://www.voxamps.com/MV50
ORANGE
Micro Terror
- 出力 : 20W
- 真空管 : 12AX7×1(プリ部)
- チャンネル : 1ch
- コントロール : Volume, Tone, Gain
- 端子 : PHONES, AUX IN, SPEAKER OUT
- サイズ : 165(W) x 135(D) x 95(H) mm
- 重量 : 850g
真空管を搭載した超小型アンプの代表格。
プリアンプに12AX7を使用し、パワー部はソリッドステートというハイブリッド構造。
小さくても20Wの出力がありますので、スタジオ練習や小さなライブなどでも活躍出来そう。フルチューブではありませんが、自宅での練習だとフルアップは厳しいと思います。
それでもこの価格。1つ持っててもいいかなって思いますね!
Micro Dark
- 出力 : 20W
- 真空管 : 12AX7×1(プリ部)
- チャンネル : 1ch
- コントロール : Volume, Shape, Gain
- 端子 : PHONES, FX LOOP, SPEAKER OUT
- サイズ : 165(W) x 135(D) x 95(H) mm
- 重量 : 780g
Micro Terrorのハイゲインモデル。
とは言うものの、比較動画だと歪み量は同じくらいに感じます。低音の出方というか膨らみが違いますね。コチラの方が太い音で、まさに「ダーク」なトーン。
エフェクトループが付いてAUX INがありません。”Tone”ではなく”Shape”となっているのがMicro Terrorとの違いですね。
■分かりやすい比較動画です。ボリュームの音量も参考になるかと^^
今回は幅30cm未満という縛りなので紹介しませんが、Terrorシリーズは他にも数機種あります。それらも十分小さいサイズだと思いますので、気になる方は公式等でご確認下さいm(__)m
▼Orange Amps HP
⇒ https://orangeamps.com/products/guitar-amp-heads/terror-series
HOTONE
Purple Wind
- 出力 : 5W
- コントロール : Bass, Middle, Treble, Gain, Volume
- 端子 : LINE OUT/PHONE, AUX IN, FX LOOP, SPEAKER OUT(4-16Ω)
- サイズ : 128(W) x 75(D) x 59.5(H) mm
- 重量 : 440g
Hotoneの激安、小型、超軽量アンプヘッド。
Nano Lagacy Series。パッと見、真空管搭載タイプかと思いましたが、どうやら違うようです。
3バンドEQコントロール、エフェクトループ端子、そしてスモールサイズ。昔と比べ、中国系ブランドの印象も随分変わりましたねぇ~。その実力侮りがたし!
■現在発売されているNano Legacy Series
・Purple Wind – Plexi Sound
・Mojo Diamond – Vintage Tweed Sound
・British Invation – Vox AC30
・Heart Attack – Mesa/Boogie Rectifier
価格は、各モデル毎に違います。それでも1万そこそこの設定です。出力が5Wと他のモデルに比べ控えめですが、手のひらサイズで持ち運びは超ラクチン♪まったく凄い時代でございます。
▼オールアクセス(Hotone Page)
⇒ http://allaccess.co.jp/hotone
PEAVEY
6505 Piranha Micro Head
PEAVEY / 6505 Piranha Micro Head
- 出力 : 20W
- 真空管 : 12AX7×1(プリ部)
- チャンネル : 2ch
- コントロール : Crunch/Lead SW, Gain, EQ, Volume
- 端子 : AUX IN, PHONES, FX LOOP
- サイズ : 178(W) x 132(D) x 82(H) mm
- 重量 : 1.13kg
Peaveyの最小ヘッド。オレンジのMicro Terror同様、プリ部に真空管、パワー部はソリッドステート。超小型タイプでありながら、6505の名を冠しているので音色はイメージしやすいですね。
それはズバリ、Van Halen!
武骨な外観と1EQという潔さに漢匂がプンプン。出音も基本的な音質は太っとく、クランチ、リードと切り替え出来ますが、どちらも芯のある歪み感を持っています。
気になったのはサイズなんですが、どこの販売サイトのスペックを見ても大きすぎるんですよね。おそらくパッケージサイズを記載しているのだと思います。高さ25cmもないだろ?(笑)。
海外の販売サイトにて記載されていたサイズを採用させて頂きました。これが本体サイズだと思いますが、ご購入の際は販売店にて事前に確認するのをお勧め致します。
■短い参考動画です。宜しければどうぞ!
▼Peavey Japan HP
⇒ http://peavey.jp/shopdetail/000000000080/10011/page1
Demeter Amplifications
The Mighty Minnie(TGA-1-180D)
- 出力 : 180W(4Ω)/100W(8Ω)/60W(16Ω)
- 真空管 : 12AX7×1, 12AT7×1
- コントロール :
- 端子 : 9V DC OUT
- サイズ : 254(W) x 178(D) x 115(H) mm
- 重量 : 2.5kg
超コンパクトなアンプヘッドを探していて、最後に見つけたコチラ。
ちょっと本格的な仕様で、価格の桁が違いますね(笑)。
同社のTGA-3というアンプのクリーンチャンネル部を抜き出したモデルとのこと。よって激しく歪むアンプではありません。ボリュームは20dBのPadで、引っ張ることで音量を下げる事が可能です。
真空管はプリアンプに使用され、パワー側はソリッドステート。こちらもいわゆるハイブリッド構造になっています。
DC端子とフットスイッチがあり、ペダルの様なアンプです。細かな使用方法が分かりませんが、”ペダルボードに入る程”というメーカー側の文言通りのサイズは魅力ですね。
詳細はデジマートさんがレビューしてくれてます。ありがたや~^^
▼Umbrella Company(商品ページ)
⇒ http://www.umbrella-company.jp/demeter-amplification-mighty-minnie.html
まとめ
今回は可搬性抜群の「超小型ヘッドアンプ」をピックアップ。
個人的には、差し迫った必要性は無いのですが、将来的な選択肢の一つとして覚えておこうと纏めてみました。キャビネットを入手して、色んなアンプを試したい欲望は確実にあるので(笑)。
サイズはもちろん、価格が素晴らしく安いものが多いですよね。ホントいい時代になったもんだ。
ただ真空管を多く搭載すると、物理的にサイズはデカくなります。今回ご紹介した機種もソリッドステートやハイブリッド構造のものばかりです。チューブサウンドを愛する方にとっては実に悩ましい。この辺はトレードオフなので仕方ないですね。
今私が期待しているのは、Nutubeの今後の展開です。省電力で小型の新真空管。VOXのMVシリーズに採用されていますが、まだまだ本格的に運用されているとは言い難い。出し惜しみなく、ガンガン製品開発を行ってもらいたいと思ってます。
新たな「小さな巨人」の誕生を願いつつ、本日はお開きとさせて頂きますm(__)m