Iron Maidenがカッコ良すぎ。

Iron Maidenがヤバい!

ファンの方からすると何を今更感半端なく申し訳ないんですけど。

実は私、昔から所持しているライブアルバム(A Real Live Dead One)をもってして、彼らの印象を固めてしまっていました。1曲目の「Be Quick Or Be Dead」が強烈で、それイコール彼らの音楽性、と安直に結び付けてしまっていた訳です(ボーカルかなりクセ強い)。

先入観っていうか、人間の思い込みというのは恐ろしいですホント。

何となく入手していた2枚組のベスト盤2枚(ややこい)を最近じっくり聴き返してみたのですが、大袈裟でも何でもなく全曲かっこよくてヨダレも鼻血も出るってもんですよそらぁ

老いてますます盛んな80sメタルパワー。
誰かの出会いとなる事を期待して、小さきこの場に刻みましょう。

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Iron Maiden アイアン・メイデン

イギリス出身、1975年にロンドンで結成。1980年に1stシングル、アルバムをリリース。幾度となくメンバーチェンジを繰り返しながらも現在まで活動を続けている世界的なバンドです。

一言で“レジェンド”。齢60を超えて尚、現役バリバリの超かっこいいジジィ達です。ドラムのニコ・マクブレインなんて執筆時点で68歳っすよ!昨年のライブ映像とか観ると涙出ちゃう。

◎現メンバー
ブルース・ディッキンソン(Vo)
デイヴ・マーレイ(G)
エイドリアン・スミス(G)
ヤニック・ガーズ(G)
スティーヴ・ハリス(B)
ニコ・マクブレイン(Dr)

特徴

アルバムジャケットをご覧あれ、メタルです(笑)。

歌モノとして聴きやすい曲もありますが、楽器パートが美味い玄人向けな楽曲の方が多いかもしれません。オールマン・ブラザーズ・バンドのメタル版!というのは乱暴な例えでしょうか。とにかくギターがカッコイイんすよねぇ。

彼らの楽曲の最大の特徴はテンポチェンジで、ドラマティックな展開を作り出す重要な要素の一つですが、反面、曲が長くなる傾向もあります。ただこのチェンジオブペース、プレイヤー目線で言わせて頂くと激ムズですよ。一歩間違えば曲が破綻してしまう。

そのリズム隊を担うベースのスティーヴ・ハリスはこのバンドには絶対不可欠な肝心要の存在。パワフルでパーカッシブな指弾きで独特のサウンドを生み出しており、テクニックも半端ない。

そしてボーカルはブルースしか認めない(笑)。私がボーカリストという事もあり、ここはもう譲れない部分でしょうがない。興味が沸かないボーカルのバンドは確実に聴かないもので。なのでファンの方には申し訳ありませんが、ブルースがボーカルじゃない曲は今回紹介しないよ!m(__)m

この曲を聴くべし!

作品を年代ごとに分けます。区切った方が見易くなる気がするので(笑)。邦題ではなく当然ながら原題を使用。昔は無理くりな日本語題結構多かったなぁ。

1980年1stアルバム「Iron Maiden」、1981年2ndアルバム「Killers」を発表。ブルース・ディッキンソンがボーカルとして加入した3作目からご紹介。

1980年代

The Number Of The Beast (1982)

ブルース・ディッキンソンをボーカルに迎えた3rdアルバム。1982年にしてこの完成度か!と本気で思える程衝撃度が高い作品。同年発売の他バンドの作品を聴くとより感じます。

最初は気付けなかった私が偉そうに言うのもなんですが(笑)、若き日のブルースの歌唱力は圧倒的。伸びやかに美しく歌うことも所謂メタルシンガーらしく歪ませた声を出すこともお手の物。更にそれらを1フレーズ内で使い分けるという荒業を披露しています。

Hallowed Be Thy Nameでのロングトーンも見事過ぎます。これはライヴの方を見てもらった方が分かるかなぁ。とにかく言える事は、これは名盤である、という事。良い曲しかない!

Piece Of Mind (1983)

この作品からドラムがニコ・マクブレインに。彼のライブパフォーマンスは観ていて凄く楽しいんですよねぇ。滅茶苦茶笑顔でプレイするんですよ。ワンバスっていうのも個人的に好き。

この作品には後に繋がるIron Maidenらしさが詰まってますね~。Revelationsというスローテンポで始まる曲がありますが、彼らのゆったりとした曲は信じちゃいけません(笑)というお手本です。

名曲、The Trooperも本作に収録。ツインギター、否、ベースを加えたストリングストリオの威力を見よ!って感じの印象的なリフはやっぱり色褪せることなくカッコイイです。

Powerslave (1984)

1stアルバムからここまで年1枚アルバムを発表。しかもどれも質が高い。この作品は個人的にかなり好きでございます。特にスティーヴ・ハリスのベースラインが耳を幸せにしてくれます。

全体的には良い意味で古い!ジャパメタ好きにはたまらないフレーズが散りばめています。2 Minutes To Midnightとかまさにそんな感じ。Back In The Villageもなんか聞いた事ある…(笑)。

1曲目のAces Highはブルースのボーカルが最高。ラストのシャウトへの移行はHR/HMボーカリストの基本です。何気に3連のインスト曲も収録されており、バンドレベルの高さも再確認。

Somewhere In Time (1986)

6作目のスタジオアルバム。ライブ感を出したかったのか、全体的にリバーブ掛け過ぎだろ!という第一印象。いつも通り良い曲多いのにバランスが少し悪くてソコが残念。

これまでの作品よりもキャッチーな歌メロ曲が多くあるのが印象的。Wasted YearsHeaven Can Waitは彼らの代表曲と言えますが、なんかまとまり過ぎなんだよなぁ(笑)。いや良い曲ですよ。

1曲目のCaught Somewhere In Timeが個人的には一番好きかな。やっぱこのテンポチェンジが「それ、それ!」って感じでテンション上げてくれるんすよ。スティーヴ・ハリスの凄さもよく分かる。

Seventh Son Of A Seventh Son (1988)

Iron Maiden7作目のアルバム。邦題は「第七の予言」。今作のブルースのボーカルはかなり癖が強いです。私の最初の印象にある彼の歌唱はこの辺りのもので、楽曲自体にもダークな空気を纏わせています。

Can I Play With MadnessThe Evil That Men Doは私が初めて聴いたIron Maidenの曲で、若かりし日にコピーもしました。メロディ崩しと喉奥発声が難しく「クセ強」が脳裏に刻まれた思い出の2曲。

The Clairvoyantにおけるスティーヴ・ハリスのプレイは地味ですけど聴き応え十分。シンセが重なっているのもありますが、ギターの裏で楽曲のコード感をしっかり支えています。

1990年代

No Prayer For The Dying (1990)

エイドリアン・スミスに替わり、ヤニック・ガーズが新ギタリストとして加入。ヤニックはパフォーマーとしても優れていてステージ上で動きまくり。ギターを立てて弾く彼の姿は単純に映える。

TailgunnerHoly Smokeと人気のある2曲で始まる全10曲入りアルバム。シングルカットされたBring Your Daughter… …To The Slaughterは全英1位を獲得。メタルバンドがチャートランク入りする国って、最高だろ。

個人的な1推し曲はFates Warningです。Aメロでバッキングギターとブルースのボイスが重なる所はいつもゾクッとする。ブルース独特の歌いまわしの力強いサビもグッド。

Fear Of The Dark (1992)

Iron Maidenのスタジオアルバムの中で最も有名な作品でしょう。これまでで最多の12曲を収録。個人的には良い意味で「洗練された」悪い意味で「ありがちな」サウンドというのが正直な印象。

ただ楽曲群は粒ぞろいで、Be Quick Or Be Deadはメタルバイブルと言っても良い曲でガッツリコピーしましたよ。From Here To Eternityはキャッチーながらゴリゴリメタルな不思議な曲。興味深いのがWasting Loveという曲の存在。Iron Maiden唯一のバラッド曲じゃないでしょうか。

ただやっぱり本作の目玉はラストのFear Of The Darkで間違いない。これは是非ライブ版を観ていただきたい。観客との一体感が凄まじく、ギターフレーズでの合唱は鳥肌もの。

今作発表翌年、ブルース・ディッキンソンが脱退。新ボーカリストを迎えアルバム2作を制作、発表。メタル人気の陰りと共に売り上げも落ち込み、バンドにとって苦しい時期だったと想像します。

2000年以降

Brave New World (2000)

復活の狼煙!(笑)。ブルース・ディッキンソンとエイドリアン・スミスが再加入し、6人編成のバンドとして始動。40代となったIron Maidenですが、音的にも大人な印象を受けます。

丸くなったと言う表現は否定的イメージを持つかもしれませんが、経験を重ねたからこそ出せる“味”がしっかりと出ていますね。特にブルースね。ボーカルスタイル第三形態、じゃないかな(笑)。

The Wicker ManBrave New WorldBlood Brothersは安心して聴けるメイデンサウンドですが、個人的にはOut of the Silent Planetが面白い。こういう風にボーカル重ねた曲って今まであったっけ?っていう新鮮さを感じるハーモニーが癖になります。

ただ全体的に気になったのが「同じ歌詞を同じメロディで繰り返す」というのが結構耳につくので、聴きすぎると飽きやすいかも。

Dance Of Death (2003)

このアルバム大好きです。展開の妙と各楽器パートの聴き応えで長い曲もダレずに楽しめます。サウンドも前作よりバランス良くなっているんじゃないかな。特にドラムね。

好きな曲いっぱいあるんですが、Rainmakerはつい一緒に歌っちゃう程歌メロ格好良し。No More Liesのサビは繰り返しの極みなんですが(笑)曲構成により逆にソコが活きてて滅茶苦茶かっけー。ギターソロもフレーズが凄く良いっすよホント。

挙げるとキリが無いんで最後はDance Of Death。タイトルチューンで8分超の大曲。物語を観ているかの様な起承転結のある曲。ギターのキーフレーズが滅茶好き。

ゆとりを持ってじっくりと堪能したい作品。

A Matter Of Life And Death (2006)

通算14作目のスタジオアルバム。それだけでも凄いんですけどね。今作の特徴はズバリ“長い曲が多い!”です。7分以上の曲が半分以上(6曲)を占めます。でも世界的にかなり売れた作品。

正直言っちゃいますと、個人的にはいまいち。曲ごとの個性が似通っていて変化に乏しい。メロディも展開も大枠で見ると同じなのでこれで長尺はキツイです(-_-;)。

ただ1曲目のDifferent Worldは凄くカッコイイ。1聴して「懐かしっ」とほくそ笑んでしまった程80’sフィーリング溢れる楽曲です。未だにこういうのが好きって、やっぱオヤジって事なのかなぁ(笑)。

The Final Frontier (2010)

50代のIron Maiden。前作以上に長い曲が多い(笑)ですが、歌メロや構成が良いので私は結構好きです。なんか小説の様な、そんな物語性がしっかり音で表現できていると思います。

1曲目は8分以上あるんですが、これは1トラックに2曲突っ込んでます。4分半から始まるタイトルチューンThe Final Frontierがせっかくカッコイイのに聴かせる気無いんか?(笑)。

短いの代表Coming Home、コレは滅茶苦茶いいッス。心に染みる。良い意味でIron Maidenらしくない曲。長いの代表はIsle Of Avalonが好きかな。目を閉じると舞台が見える感覚を得られる、そんな曲。

もうなんか彼らの場合、メタルとかそういうジャンル縛りなぞ超越してるような気がする。Iron Maidenのサウンド、そうとしか言いようがない。

The Book Of Souls (2015)

執筆時点でのこの最新作は2015年発売。長曲傾向にあった作風は今回も健在ですが、なんと10分を超えるものが3曲もあります(笑)。ドラムのニコは既に60超え!(尊敬)

「もう長い曲はいいよぉ~」と心のどこかで思いながらも悔しいかな、聴くとやっぱカッコイイんすよ。8分以上ある1曲目のIf Eternity Should Failはお決まりの展開ながら自然と惹き込まれてしまいます。

The Red And The Blackはバンドサウンド好きの私からすると最高過ぎる。ギターもベースも美味しくて、13分間耳が喜びに包まれます。これは名曲ですよ。

年齢を感じさせぬブルースの歌唱には驚かされましたが、何のことはない、全員がバケモノという事です。

終わりに

いやぁ~、最高だ!

ここ2ヵ月、Iron Maidenだけで生きてます(笑)。この音に包まれている時間が何にも勝る幸福感を与えてくれます。俺ぁやっぱゴリゴリヘヴィなサウンドが一番好きですわ。

そしてまた一人、尊敬できるボーカリストを発見できた事が何よりの喜び。最初からちゃんと聴け!って話ですけどね。まぁでも人はその時の感情で生きるものなので、巡り巡って辿り着けた幸運に感謝しよう。ブルース・ディッキンソン。60歳を超えて尚素晴らしいパフォーマンスを披露してくれています。

年齢関係なく、メタルの灯をともし続けてくれる彼らには本気のありがとうを送りたい。まだ聞きかじっただけのバンドが沢山あるので、良い音探しの旅はつづく。