生き残ったペダル紹介、今回はICARUSというブースター。Caroline Guitar Companyの公式ラインナップには既に無く生産終了したものと思われます。
ICARUSは奇抜なデザインが多いCaroline製品の中では割とフツーな外観が特徴。いくつかのカラーバリエーションが存在しますが、中身まで異なっているのかどうかは不明です。
一応クリーンブースターとのことですが原音忠実系ではなく強い個性を持っています。現時点での入手は中々に困難ですが、決してオススメは致しませんので悪しからず(笑)。
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Icarus Boost
ボリューム(左)とトーン(右)という非常にシンプルな2ノブ仕様。トゥルーバイパスで電池駆動も可能です。サウンドの特徴は公式によると“クリーンとプレーンの中間”との事。正直よく分かりませんが(笑)確かに独特の質感を与えてくれるのは間違いありません。
▼Umbrella Company
https://umbrella-company.jp/caroline-guitar-company-icarus.html
コントロール部
羽(Boost)
左側のノブにてブースト量をコントロール出来ます。8時の位置がユニティゲインとの事ですが、ボリュームの増減が非常に緩やかなので“だいたい”で大丈夫な感じ。最大21dBのブーストが可能です。
このノブを上げていく事で出音に変化が生じ、率直に太くなるという印象を持ちます。どう表現すればいいのか難しいのですが「音に芯が通る」そんな感覚です。
さらにブースト量によってもこの質感は変わり、12時以降でザラっとした感触が生まれ、更に増幅させていくとファットでファジーなサウンドにもなります。
個人的にはクランチ気味のアンプサウンドに「音抜け」を加える感じで軽くブーストするのが好き。9～11時くらいの設定だと低域はまんまでシャリンとした気持ち良い高域が出せます。
太陽(Tone)
右側のノブがトーンコントロールです。音の明度をコントロール可能で4時辺りが原音と同じ明るさ。ほぼマックス(笑)。融通が効かなそうですがそうでもありません。
一般的なペダルのトーンではなくハイカットと捉えた方がしっくり来ます。まさに太陽で例えると、正午(最大)から日の入り(最小)へと向かい暗くなっていくイメージのコントロールです。
変化が緩やかで微細な調整をすることが出来ます。公式に“スイートスポットを発見できる”とありますが、確かに偽りはなし。トレブリーな環境下では特に威力を発揮するコントロールでしょう。
サウンド
クリーンサウンドをベースにした動画です、あざっす。しっかり音比較が聴けるのは4:15から。チープに感じるかも知れませんが、出音や質感がよく現れているグッドな動画です。ブースト量による飽和感や、私が気に入っている高域のシャリンとした感じも聴けます。
正直な使用感
何でしょうね～、不思議な中毒性があります。ハッキリ言って万能でもなければトランスペアレントでもない。ザラつけばジャリつきもする。う～ん、やっぱマニア向け？(笑)。
ブースト量で出音が大きく変わり、12時以上にすると独特な質感が加わると共に低域が膨らんできます。動画でも確認できますが、正直この低域は邪魔で扱い辛いです。
やはり11時くらい迄の設定が個人的には好きですね。先述しましたが、音に芯が加わり高域も美味しく調理してくれます。各帯域のバランスも良好です。
もう一方トーンの方はマックスを基本とし、環境に合わせて絞っていく使い方がベスト。高域の扱いが難儀な際のマスターEQとして意外と重宝するかも知れません。
ICARUSはブースターではありますが個人的には“調味料”的に使用しています。更に絞ればハイゲインよりクランチサウンドの味付け用。「クランチアンプのプリアンプ」という物凄く限定的でピンポイントな使い方ですが、替えが効かない音を作れるので未だに手放さず愛用しています。
壊れたらもう買えそうにないけどね…。
終わりに
ブースターっていいですよね～。ホント大好き。特にアンプをベースに音作りを考えるようになってからはサウンドメイクには欠かせないアイテムとなっています。
ICARUSは音作りの幅は決して広いとは言えません。ただそれも私の視点での意見。私にとってのマイナスポイントも見方が違う他の方からすると良いポイントであったりします。
好きな音や求める音、プレイ環境も千差万別。好き勝手書かせて頂いている身で言うのもなんですが、やっぱりこういうものは参考程度に留めておく事を推奨いたしますm(__)m
何はともあれICARUS、出会って良かったペダルの一つです。頼むから長生きしてくれぃ！
