より良い音を求めること。「音」に魅了され、音楽人となった瞬間から始まる長き探求の旅。終わりのないこの道には、ルールも無ければ、プロやアマチュアといった立場も関係ない。
今回は、実に多彩で魅力的な音色を奏でる「エレキギター」についてのお話。
私自身ボーカリストですが、最近はギターが超楽しくて仕方ない。100Wクラスのアンプや、4発のキャビ等で本格的に音出ししたことはありませんが、様々な機材を購入、試行錯誤し、色々見えてきたのも事実。
思いつく限りの要素を、広く浅くというスタンスでまとめてみます。まだ個別に深堀りできるレベルに達しておりませんので、その点はあしからずm(__)m
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Contents
ギター本体
まずはエレキギターそのものについて。現在市場には様々なギターブランドがあり、特に初心者の方にとってわけが分からない状態かと思われます。しかし、大体は次に挙げる2社のギターが元になっており、そこから派生したものやコピーされたものが大半です。
▼フェンダー社の「ストラトキャスター」
▼同じくフェンダー社の「テレキャスター」
▼ギブソン社の「レスポール」
どれも完成された美しいシェイプですよね~。見た目も大事!音も見事に三者三様。エレキギターの長きに渡る歴史を紡いできた、圧倒的な風格を感じてしまいます。
ちなみにレスポールだけはマイ愛器の写真^^
パーツ類
エレキギターは様々なパーツで構成されています。これをある程度理解出来ると、自分で弄り倒すことも可能に。自分だけの”こだわり”が生まれると、更に楽しくなります。
●主なギターパーツ
- 木材
- ナット
- フレット
- ペグ
- サドル
- ネックプレート
- ポット、コンデンサー
などなど。これらに拘り出すと無限の可能性が広がる気がします。各パーツの素材の違いによる音の変化は、デジマート地下実験室にて詳しく検証がされており、大変参考になります。
今回は数あるパーツの中でも、ギターを形作っている重要な「木材」についてのみチョイス。
木材
エレキギターに欠かせないものは「木」です。ボディやネックは色々な木材を加工し作られています。この木材による音色変化については、賛否両論あるようです。
セットネック、ボルトオンネックといった構造の違い、搭載ピックアップの特性の方が、木材の種類より出音に影響するという人もいます。これはレスポールをストラトの様に3シングルにしたり、ストラトに57classicを2基マウントして、実際弾いてみると分かると思いますが(笑)。
●木材の種類と特徴
◎ボディ材 | 特徴 | 使用ギター例 |
・バスウッド | 素直でフラット、クセがない | 安価なイメージだが、Musicman、Ibanez等の高級ギターにも使われている |
・アッシュ | バランスが良く、音の立ち上がりに優れ、明るく輪郭が明瞭 | ストラトキャスター、テレキャスターなど |
・アルダー | バランスが良く、アッシュより中音域が出る | ストラトキャスター、テレキャスターなど |
・マホガニー | 中低域が豊かで、丸く甘い、暖かな音色 | レスポール、PRSなど |
・メイプル | 美しい杢目のものは高価、トップ材で使用され、マホガニーとの相性が良い | レスポール、PRSなど |
◎ネック材 | 特徴 | 使用ギター例 |
・メイプル | 強度があり、アタック、サステインに優れクリア | フェンダーなどのボルトオンネック |
・マホガニー | 中音域が豊かで、アタックは丸く、暖かな音色 | レスポールなどのセットネック |
◎指板材 | 特徴 | 使用ギター例 |
・メイプル | 音の立ち上がりが良く、明瞭 | 多くのギターに使用されている |
・ローズウッド | 暖かくソフトな音色 | 多くのギターに使用されている、ハカランダは現在最も高価な指板材 |
・エボニー | 硬質でアタック、サステインともに良い | 良質なものは高級ギターに使用される |
代表的な木材について、一般的に言われている事を超簡単にまとめてみました。ここでは割愛させて頂きましたが、木材1つとっても原産地の違いで複数の種類があり、大変奥深い世界です。
私個人のこだわりとしては、指板は黒い方がイイ!というのがあります。ボディに関してはなんとなくマホガニー信者^^
ピックアップ
ギター本体のパーツの中で、”音色を決める”という意味でピックアップはとても重要です。ピックアップを交換すると出音が大きく変わります。手軽に音のキャラクターを変更できる反面、ギター本体の構造や使用されている木材とのバランス取り等、中々難しいものがあります。
シングルコイル
フェンダー社のストラトキャスター、テレキャスター等に搭載されています。ハムバッカーよりパワーはありませんが、だからと言って演奏ジャンルが限定されるようなことはありません。イングヴェイはストラト使いですが、ヘヴィなサウンドを聴かせてくれます。
ピッキングによるニュアンスも出しやすく、繊細な印象。コードバッキングを力強く弾いた時の「ジャキジャキ」しつつ枯れたクランチサウンドは絶品。ストラトも欲しくなりますね~^^
ハムバッカー
ギブソン社のレスポールやSG等に搭載されています。カヴァードタイプの場合、高域が抑えられる傾向にあると言われています。個人的にはカヴァー付きのルックスが大好き。
当然シングルPUより力強く、傾向としてファットでウォームな出音になります。ですが、各社から様々なピックアップが出ており、高域が良く出るものや、超高出力の物までピンキリですね。
他の要素
ピックアップに使われている磁石には、アルニコ、セラミックがあります。更にアルニコにはⅡやⅤといったナンバーで分けられ複数あります。私はウォームなアルニコⅡのものが一番好き。
更にパッシブタイプとアクティブタイプがあり、アクティブピックアップは電池が必要ですが、ノイズに強いという特性があります。EMGから多くのモデルが出されていますね。
余談ですが、いつか試してみたいピックアップは、ダンカンSH-11、ESP MotherⅡ。どちらもアルニコⅡで出力高め。
アクセサリー類
演奏性に直結する弦やピック。音やノイズに関わるケーブルも大事ですよね。価格も手頃で試しやすく、ここはかなりの方が拘られてると思います。それぞれ順番にいってみましょー!
弦
ザ・消耗品その一。弾かず放置しておくだけでも錆びついてしまいます。定期的に買うものですので、練習用、ステージ用とグレードを変えるのが金銭的にもいいかと。
弦は様々なメーカーから出ており、素材や太さも色々。010~046が最も一般的でしょうか。私は最初に買ったダダリオの009~042をずっと愛用しています。何だかんだで弾き慣れてしまった(笑)。
太くなるほどテンションもキツクなりますが、音はパワフルになっていきます。ただ、個人的にはピッキングやフィンガリングの感覚がマッチしたものがベストではないかと思います。あと金額ね。
サウンドハウスさんの「弦の選び方」は、簡単ですが分かりやすくまとめてくれています。
ピック
ザ・消耗品その二。ゴリゴリすり減っても使い続ける強者は結構いるかも(笑)。私的には少し使い込んだものが一番馴染み弾きやすい。ピックは結構手当たり次第試しました。
形状は様々あり、ティアドロップが一般的ですがジャズタイプも人気。大きさも千差万別、太さや素材によって滑り具合やピッキングの感触も違います。出音にも影響があり、ピック、恐るべし!
私が最初に使用したピックは、アイバニーズのポールギルバートモデル。滑りにくく滅茶苦茶弾きやすい。ただこのピック、巷で言われてるようにスーパー削れやすいです( ;∀;)
そこで、全く同じ形状のものを探しまくった結果、PICKBOYのGP-200、GP-400に辿り着きました。現在はGP-400の0.75mmに落ち着いております。
サウンドハウス「ピックの選び方」も参考にどうぞ。
シールド
ギターからアンプやエフェクターに電気信号を伝える大切なもの。とは分かってはいるんですが、そこまで高級なものは試したことがございません。価格と品質のバランスが良いものを模索中。
ライブなどをされる方は、必然的に長いケーブルになると思います。信号ロスが少なく、ノイズ耐性の高いものとなるとやはりそれなりの値段になるでしょうね。
ノイズや音質以外にも、取り回しの良さ(ケーブルの柔軟性)も大切だと思います。EX-PROの安いヤツはカッチカチで凄く使いにくかったゾ・・・。
私は自宅弾きですので、ProvidenceやLive Lineなど、長持ちしてくれるのはどれかを今は試している感じです。プラグ部分は夏場の湿気でやられやすいのでご注意を。
アンプ
クリーンサウンド、歪み、それらを生み出すのはアンプ。一般的に”アンプ”と言えば「ヘッドアンプ」のこと。音を出力するのは「スピーカー」で、アンプとスピーカーの一体型が「コンボアンプ」です。
アンプの持つ個性が、ギターの音を決定付けると言っても過言ではないでしょう。
アンプの王様と言えばマーシャル。コンボタイプならフェンダー。全く違う個性でありながら、共に素晴らしいのは言わずもがな。他にも様々なブランドがあり、選択肢も豊富。
日本の住宅事情にも優しい設計の「小型ヘッド」も増えてきていて、非常に魅力を感じます。
チューブ
真空管を搭載したアンプ。真空管一つとってもプリ部、パワー部それぞれ適したものがあり、中国製、ロシア製など生産国の違いや種類も豊富。寿命は一般的に5000時間程度と言われています。
真空管アンプの出音は、肉厚で迫力あるサウンドはもちろん、とてもセンシティブで弾き手の感覚をダイレクトに音へと変換してくれます。己の実力を丸裸にされます(笑)。
最近では、自宅でも真空管サウンドを楽しめるよう各社から工夫を凝らした「小型真空管アンプ」が出てきています。中には、レコーディング用途にも配慮し設計されているものもあります。
ENGL「Gig Master15」や、Laney「IRT Studio」等がイイ感じですね。KORGの「Nutube」の今後の展望も非常に楽しみです。
ちなみに自宅で弾く場合、1Wでも十分な音量が出せ、5Wなら爆音の領域に入れます。
ソリッドステート
皆さん一度はお世話になる、トランジスタを使用したソリッドステートアンプ。真空管アンプの質感は出せませんが、価格が安く、丈夫で壊れにくい。練習用コンボタイプはほぼコレです。
画像はQuilterというメーカーのミニヘッド。真空管に拘らず、エフェクターメインで音作りされる方には凄く有用に思えます。21(W)×8(H)×14(D)というコンパクトさで抜群の可搬性。出力も50W(笑)。
「いつでもどこでも自分の音を」を見事に商品化してくれていますね。他にも様々な種類が出ていて、正直一度弾いてみたいメーカー。だが、代理店はサウンドハウスなので試奏は無理じゃ~!
まぁ、個人的に今興味が勝っているのは真空管の方ですけどね^^
どちらがお好み?
真空管かトランジスタか。どちらにも一長一短があり、音の好みで選べばいいかな、とは思います。
比較動画は色々アップされているのですが、この方は工夫されていて面白い。他の動画もそうなんですが、音量差が大なり小なりあります。全く同じにして欲しい所ではありますが、コレはマシな方。
1:45~交互に演奏が始まります。よく表現される真空管アンプの”暖かみ”というのを確かに感じることが出来ます。一方トランジスタアンプは均一性の取れた出音で、決して悪くはないですね。
ただ「弾き手のニュアンス」という表現部分においては、やはり真空管アンプの方が勝っている印象です。この動画を見る限りは、ですが。
皆さんはどちらがお好み?
キャビネット
最終的に音が出力されるのはスピーカー。スピーカーが搭載された箱がキャビネット。この「出口」が音に与える影響は思いの外大きいです。スピーカーを変えるだけで不満解消、ということもあり得ます。
また、キャビネットの構造も出音を変化させます。素材とかではなく今回は背面の話。オープンバック、セミオープンバック、クローズドバックそれぞれ特徴があり、面白いですよ。
スピーカー
コンボアンプやキャビネットの仕様を見ると「1×10」や「4×12」等とあります。これは「搭載数×スピーカーユニットの口径(inch)」を意味しています。
私もたいして意識せず、10インチの真空管コンボを購入したのですが、今思うと12インチにしとけば良かった!と心の中で叫びまくっております。勢いに任せたよくある失敗ですね~。
スピーカーの口径として12インチが標準とされています。一般的に口径が大きくなるほど低音がしっかり出て、搭載数が多い程音圧があり、音量も稼げます。
スピーカーブランドで有名なのは、Celestion、Eminence、Jensenでしょう。私は基本的にマーシャルサウンドが好きなので、Celestion推し。
とにもかくにも、スピーカーが音に与える影響は大です!
オープン or クローズド
正直、オープンバックとクローズドバックの違いなんて考えたことも無かった(笑)。ですが、スピーカーについて色々調べている時に、副産物的に知ることが出来ました。
素晴らしい音ですね。AC/DCもエエですなぁ。コチラは日本人の方の動画だった気がします。この動画ではオープンバックの音の方が好きです。この絶妙な穴あき加減がポイントなのでしょう。
フルオープンだと、おそらく締まりのないサウンドになっちゃうんでしょうけど。
スピーカーを入れるキャビネットもやはり重要だとハッキリ分かる動画、感謝です!素材や形状、箱内の空間の広さや吸音材の設置等々、こだわりポイント盛り沢山ですね~。
エフェクター
アンプ直派にとって、エフェクター頼みの人はおこちゃまに見えるかも知れません。ですが、環境も機材も人それぞれ、音作りも自由にやりたいようにやっていい気がします。大切なのは最終的な「出音」なのですから。
そんな私はエフェクターを愛してます(笑)。こと歪み系に関しては、それに情熱を燃やす素晴らしいビルダーたちが生み出した、数多くの「作品」に触れてきました。
それぞれ個性を有し、ペダルを変えるだけで簡単かつ確実に音色は変わります。使い方も自由が利き、アンプの歪みをプッシュする使い方もあれば、ペダルをペダルでブーストするのもあり。
ただし、ギター本体はもちろん、音のベースとなるアンプや、スピーカーとの相性は間違いなくあります。どんな状況や環境でも万能に使え、更に自分が気に入るかどうかも考えると、ホント果てなき道ですよ(-_-;)
ケーブル類
エフェクター同士を繋ぐケーブルの品質も重要。パッチケーブルや電源供給のためのDCケーブルがあります。音ヤセやノイズに関りがあるとされています。
品質については、具体的にどれくらいの価格なら大丈夫、みたいなものはハッキリとは言えません。実際試していくしかありませんね。私の場合、安いのから試してみて問題なければ「まぁいいかな」くらいな軽い感じ^^
音ヤセとかって、正直よく分からないんですよねぇ(-_-;)。なのでノイズ耐性重視で選ぶようにしています。ちなみに私が使用しているパッチケーブルは、Free The Toneのソルダーレス。これは、ボードにペダルを組み込むときの自由度が非常に高いので重宝しています。
DCケーブルはOneControlの安いヤツも使いつつ、Oyaideの黒白のやつに移行してます。Oyaideのケーブルは割と無理な”曲げ”にも対応してくれ、信頼度も高い。1本1000円程を安いと見るか高いと見るか、ですね。
今回は言及しませんが、DCケーブルと言えば、パワーサプライも重要な要素でしょう。
まとめ
今回は目次的に広く浅くまとめてみました。将来、深く踏み込んだ記事を書く際のステップ1といった所です。現状思いつく限り上げてみましたが、メチャクチャ多かった。
出音に関わるものは、まぁ「全て」と言ってもいいのですが、いきなり完璧を目指すのは流石に大変で無理。失敗と経験を繰り返し、徐々に気付き学ぶのが自然でいいですね。
ただ、次の目標をどこに置くのか知るためにも、こういった様々な知識は必要不可欠。レコーディングを行いたいならそれに適したものがありますし、アンプヘッドが欲しければキャビネット選びも必須です。
一概には言えませんが、整った環境があるプロフェッショナルの方には無用な悩みでしょうね。私の様に個人レベルで楽しんでいる人間にとっては、羨ましい限り。
まぁそういうのも含めても、楽しいので万事オッケー!っということでお開きノシ