ソフトウェアの話しです。
ちょい大胆なタイトルを付けましたが、今回はそんな感じの実験というか、改めて客観的に気になる部分を確認してみよう!という回になります。
最近実機アンプが高すぎてとても買えないので、ソフトウェアのアンプシミュレーターをいくつか導入したのですが、そのどれもがホントに素晴らしい。
で、キャビネットシミュレーターなんかもいくつか入手し、色々比較なんかをしてる最中に思っちまったんですな。安易に口外してはならないコト…。
「…全部同じじゃね?」
それが今回のお話し。
アンプシミュレーター同じ音説
はじめに
今夏、私が導入したアンプシミュレーターは全部で6製品。ハマったらすぐ手を出すワシ。元々持っていたBiasをあわせ主要製品は合計7つ所持。
それぞれに個性があり異なるサウンドを持ちます。なんかお題とは矛盾してる事言っちゃってますが、“アンプシミュレーター単体”で音作りした場合は明らかに違う音だと認識できます。
しかしある条件下において、結構面白い事が起きるんですよ。
条件
単純です。出口を統一するだけ。
つまりはキャビネット。キャビ部を同じにする事により、最終的に出てくるサウンドの個性に「統一感」が生まれます。
別個性を持つそれぞれのアンプシミュレーターのサウンドが“極めて近いもの”に感じられるんです。プレイヤーなら細かな差異に気付けても、EQやゲイン量など極端な設定差を作らなければ、一般の方には恐らく判別は不可能でしょう。
音チェック
使用機材
- Orville by Gibson LPC
- TC Electoronic Ditto Looper
- Synergy Uberschall
- Blackstar Amped1
- Motu M2
- Studio One
- Bogren IRDX Core
- Goodhertz Loudness
- Nugen Audio ISL2 St
いつもの機材とセットアップ。
実機プリアンプであるSynergy様もエントリーしてますので、ルーパー使って録音しました。フレーズは以前の記事で使った音源の使い回しです(笑)。
DAW内にてアンプシミュレーターを切り替えていくだけのスタイルですが、IRDX Coreというプラグインを全てに挿入、リミッターを最後段にかましてます。
音量を揃えるのにGoodhertzのLoudnessを使ってます。
使用キャビ
統一するキャビシミュはなんでもいいのですが、今一番のお気に入りであるMeldaProductionのMCabinetを使用します。
設定は画像の様な感じ。アンプシミュレーターに関しては今回敢えてこれで固定。個別に設定すればより近いサウンドにする事は可能でしょうが、“差”も知りたいですから。
サウンド比較
Synergy Uberschall
Uberschallだけキャビの設定を画像の様に変えてます。これでもまだトレブリーに感じますね。モジュール自体の設定は画像も無く忘れちゃいました(笑)。
自分のリアル機材の中では今一番利用頻度が高くメチャクチャお気に入り。最もリアルな空気感を持ち、高域の抜けが良いのが特徴。
ただこのSynergyの場合(他のモジュールも含め)は、Bogren MLCのキャビ部との相性が最高なので、MCabinetは私的には2番手かな。
Bogren MLC S_Zero100
このBogrenのアンプシミュはキャビ部も非常に優れており、単体でサウンドを作り上げた方が簡単かつ音も良い。他のキャビの使用もサウンドバリエーションとしては全然アリですけどね。
私が今持っているアンプシミュレーターの中でも圧倒的にリアリティが高いです。設定次第でSynergyとほぼほぼ同じサウンドにする事も可能だと感じます。
今回の音源でもローミッドあたりの質感が違う程度じゃないかな。
JST Disruptor
基本的にハイゲインアンプなので私的には音作りの難易度が高めです。ゲインを下げ過ぎると低音がスカスカになっちゃうので、思惑より歪みはやや深めに設定。
とは言え、このジャキジャキ感はたまんないっすけどね。元々はJCM800がベースになっているモデルとの事ですが、単体で充分メタルまで対応可能な歪みを生み出せます。
Softube JCM800
腰の据わった“The中央値”って感じの音。私にとっては耳馴染みのある青春フレイバー溢れるサウンド。ドライで実際扱いやすいと思います。
SoftubeのAmpRoomはそこまで注目されてないアンプシミュレーターだと感じてるのですが、このJCM800はリアリティも高く、公式ライセンスを受けてるだけあります。
Marshall Suite欲しいなぁ~。
Tonocracy Bright800
現在無料のアンプシミュレーター。敢えてSoftubeと並べてみました。同じJCM800系という事で設定も同じにしてみたのですが、如何でしょう?
価格とサウンドのバランスを考えると、もはや高いお金を払う必要はないのかも知れませんね。元々商用製品でしたし、入手可能なうちにゲットしておきましょう。
Nembrini BG Extasy
Bogner Ecstasyのアンプシミュレーター。操作系統が複雑かつ音もクセ強。扱うのが中々難しい手強いヤツですが、録り音は結構良いのではないでしょうか。
マジで豊富なサウンドバリエーションを生み出せるので、扱いが分かってくると凄く楽しいです。Synergyモジュールとは正直別物なのでコレは買って良かった。
今、Nembriniに興味津々な私。
Nembrini Overdrive Special
試してみたらコレ最高!(笑)って事で即ポチしちゃった所謂ダンブルアンプのシミュレーター。初期設定が既に滅茶苦茶良い音なので、今回の音源もほぼデフォ。
Bassノブがフルアップなのでローが多少強く出てますが、それも気になる程ではなくむしろ心地よい。普段弾きでもこれを1stチョイスするようになってます。
Nembrini Audioさん、かなり好きです。安いし。
PositiveGrid Bias JTM45
BiasさんをMCabinetと組み合わせると…こうなりました。どうですコレ?普通に良い音ではありませんか。Bias単体ではイマイチに感じていたトータルサウンドが正直見違えた。
もちろん感じ方は人それぞれですけど、私的には新たなサウンドバリエーションを入手した感があり、まさに嬉しい誤算でございます。
またToneCloudから色々ダウンロードしてみようっと。
PositiveGrid Bias Plexi1968
ということでBiasのマーシャル系をもう一発。お次はPlexi様。さあどうですか?素晴らしいではありませんか。ニコニコが止まりません。
出口を変えるだけで好みの音に近づくという事は、MCabinetが私の趣向にどストライクなんでしょうね。まぁでも、二つ並べて聴くとBiasの出音傾向というのも何となく掴めますね。
MCabinetとの相性も良く、全然使える!
Blackstar St.James EL34
Polar2のおまけで付いてた真空管アンプSt.Jamesのシミュレーター。今回はEL34版をチョイス。個人的にはかなり期待してたのですが、少し想像とは違ってました。
私、欲しい音がパッと出てくれるものが好きなのですが、これはどちらかと言えばそうではなく結構癖が有ります。6L6版の方も同じく。
まぁ慣れですかね(笑)。弄り倒してみましょう。
終わりに
結論!
ギターサウンドを構成する要素でキャビネット(ギタースピーカー)はかなり重要度が高いです。これはリアル機材も同じで、スピーカーによりサウンドが決まると言っても過言ではないと思います。
ただ今回の比較では全く同じにはならなかったですね。アンプ毎の個性もしっかり出ていたと感じました。しかしながらプレーヤーじゃないと分からない程微細な違いだと思います。出音傾向は同じなので、重心が低い!とか空気感が~とか言われても…ねぇ?(笑)。
でもEQやら空間系やらを駆使し、設定自体ももっと詰めれば、ほぼ同じ音にする事は可能だとは思います。よってあれやこれや買いまくるのは、個人的にはもうしないかな。
大事なのは扱いやすさだと思いますけどね。私の手持ちのアイテムだと、BogrenのMLCと、NembriniのOverdrivesSpecialが良い音すぐくれるので大好きです。MCabinetも同じ理由で愛用してます。
すべてはプレーヤーの自己満足の世界。楽しければ、それでいい。ホントこれに尽きるのではないかなぁ。皆様も、流される事なく楽しい音楽ライフをお過ごしあれ~。
ではまた。